テレビ大阪の再放送『魔法少女プリティサミー』第19話未放映問題を検証する

この問題は、元々あるホームページで取り上げられていたものです。
現在はクローズしてしまっているのと、問題になったと思われるシーンの検証までは行っていなかったので、ここで詳しく検証していきたいと思います。

『魔法少女プリティサミー』第19話未放映問題の経緯

まず『魔法少女プリティサミー』ですが、これはテレビ東京系で96.10.04〜97.03.28の毎週金曜日18:30〜19:00に放送された全26話の作品です。
テレビ大阪でも、本放送は問題なく放送されています。
それで今回の再放送ですが、テレビ大阪には月〜金曜日早朝07:30〜09:00（当時）の『朝のこども劇場』というアニメの再放送枠があり、『魔法少女プリティサミー』も98.02.20（金）からOPカットや次回予告カットなど再放送ではお馴染みの形式で、2話連続の1時間枠で放送されました。
しかし、本来ならば98.03.05（木）の前半に放送されるはずだった19話は放送されなかったのです。
一部話数だけセレクトして放送するのならともかく、全話再放送している中で放送されない話数があるのは異例のことです。
この日の放送では、番組の最初に次のような二つのフリップを出して、19話を放送しない旨を伝えていました。
※このページの元ネタページを開設されていたヌクヌクDXさんから、画像を提供していただきました。

[1〜2]

【第19話「薔薇の花びらが舞い落ちた時、静かに魔法は消える」の予定でしたが、都合により第20話をお送りします。ご了承下さい。】
【∇第19話のあらすじ∇　パパが帰ってくるのでゴキゲンなみさおちゃん。でも町にバラのハイパーラブラブモンスターが出現！サミーはミサとたたかうが、ミサの正体はなんとみさおちゃんだった・・・。】
たったこれだけの説明で19話は飛ばされてしまったのです。
それでは、前日までは19話を放送する予定だったのかというと、そうでもありません。
前日98.03.04放送の18話に付いた次回予告は、本来の19話の予告ではなく20話の予告に差し替えられていました。
このことから、最初から19話を放送する予定はなかったことが分かります。
上記の“第19話のあらすじ”にも書いてありますが、19話は新たな事実が明らかになる回で、19話から21話までは繋がった一つのストーリーになっています。
ですから、最初に19話を見ないと、20話以降の話が分からないということになります。
では、19話のどこに問題があったのでしょうか？

『魔法少女プリティサミー』第19話が放映されなかったのは何故？

テレビ大阪の『魔法少女プリティサミー』の再放送では、1997年12月に起こったポケモン騒動の影響で、Aパート冒頭に視聴テロップが出ています。
おまけにポケモンチェック（減光処理）を入れて、必殺技シーンなどを中心に画面を暗くしている箇所がたくさんあります。
このことから考えると・・・。
そう、19話が未放映になったのはポケモン騒動の影響なのです。
でもそれだったら減光処理をすれば問題はないような気がしますが、実は19話には、パカパカ（異なる色を交互に出して点滅しているように見せる手法）による点滅効果の中で最も危険と言われる赤を使った点滅シーンがあるのです。
一度見ていただければ分かると思いますが、19話のAパート開始後7分4秒〜16秒のシーンで、12秒も赤と白の点滅が続きます。
下の画像はその一部で、この前後にも点滅シーンがあります。

[3〜4]

AT-Xではこのシーンを減光処理した上で放送しましたが、それでもかなりの刺激がありました。
テレビ大阪で『魔法少女プリティサミー』の再放送が行われていたのはポケモン騒動の直後だったことと、赤の点滅のため減光処理をしても刺激が強かったこと、そしてテレビ東京が赤の点滅を禁止する基準を定めていたため、テレビ大阪側が用心して19話を未放映にしたものと思われます。
減光処理ではなくても、残像処理や止め絵にすれば良いのでは？という意見もあるかと思いますが、テレビ大阪は現在でもポケモンチェックは全て減光処理で対応していることから考えると、映像に直接手を加えることはしないようです。

テレビ大阪の再放送における『魔法少女プリティサミー』第19話未放映問題は、ポケモン騒動以前の過去の作品を再放送する際に支障が出た初のケースだと思いますが、今後はこのような事例が発生しないことを願います。

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