事件や事故に配慮して差し替えとなった作品

2007年9月、京都府京田辺市で16歳の少女が父親を斧で殺害するという痛ましい事件が発生しました。
この影響を受けて“不謹慎である、または事件との関連性が認められる”という理由で、各局で『School Days』と『ひぐらしのなく頃に解』が放映休止になりました。
KBS京都では当日の新聞のテレビ欄には『ひぐらしのなく頃に解』の番組名を載せていたのですが、実際の放映ではお断りのテロップを出して別の番組を放送しています。

[1]
『ひぐらしのなく頃に解』放映休止

事件との類似性があるだけで関連があるかどうかも分からないまま放送自粛とは、まあ企業からすれば臭いものに蓋をして穏便に済まそうという賢明な判断なのでしょう。
またそのテレビ局も予想通り、“事件とアニメ・ゲームを強引に結び付けての報道”を展開しています。
アニメファンからすれば呆れるほどの下らないチープな報道でしかないわけですが、これらの作品を知らない人からすれば、やはりテレビの報道を信じてしまうものなのでしょうか？

※平成以降のアニメのみを対象にしており、また事件や事故とは関係のない視聴者からのクレーム、一部シーンのみの差し替え、テレビ局の倫理規定による自主規制や制作側での規制による放送休止などは含んでいません。

○1989年　幼女連続誘拐殺人事件

『らんま1/2』
　14話「さらわれたPちゃん!奪われたらんま」のサブタイトルに配慮して、連続している14～16話を放送延期して次の話数を繰り上げて放映。14～16話は後日『らんま1/2熱闘編』の7～9話として放映された。

○1995年　地下鉄サリン事件

『飛べ!イサミ』
　6話「RX95の秘密」に毒ガスのシーンがあるため、次の話数を繰り上げて放映。6話は後日37話として放映された（OPなどは初期のものがそのまま使用された）。ビデオ/LD/DVDには、当初予定されていた放映順序で収録してある。

○1997年　神戸児童連続殺傷事件

『吸血姫美夕』
　2話「次の駅で」に首を切り落とすシーンがあるため、本来の2話と3話を編集してテレビ放映用の2話として放映。完全版ビデオ/DVDには、本来の姿で2話と3話が収録してある。

○1998年　和歌山毒物カレー事件

『たこやきマントマン』
　18話Aパート「台所用品でゴモットモー」にカレーを扱うシーンがあるため、再放送に差し替え。本放送中には放送されず、再放送で初めて放送されることになった。

『浦安鉄筋家族』
　27話「走れスジャータ」にカレーを扱うシーンがあるため、次の話数を繰り上げて放映。本放送中には放送されず、ビデオで初めて収録されることになった。

○2001年　アメリカ同時多発テロ事件

『フルメタル・パニック!』
　序盤の話数にハイジャックのシーンがあるため、放映開始を3ヶ月延期。その間は別の番組の再放送を行った。

○2003年　長崎幼児誘拐殺人事件

『フルメタル・パニック?　ふもっふ』
　2話「妥協無用のホステージ」に誘拐のシーンがあるため、次の話数を繰り上げて放映。1話15分×2本の30分構成であるため、話数調整で3話「すれ違いのホスティリティ」も放映されなかった。本放送中には放送されず、再放送で初めて放送されることになった。

○2004年　新潟県中越地震

『ブラック・ジャック』
　3話「ひったくり犬」に地震のシーンがあるため、再放送に差し替え。3話は後日、1時間スペシャルで放送された。ビデオ/DVDには、当初予定されていた放映順序で収録してある。

『ポケットモンスター　アドバンスジェネレーション』
　101話「ゆれる島の戦い!ドジョッチVSナマズン!!」に地震のシーンがあるため、次の話数を繰り上げて放映。現在のところ、テレビ放送やビデオ化は行われていない。

『ふしぎの海のナディア[再]』
　31話「さらば、レッドノア」に地震のシーンがあるため、次の話数を繰り上げて放映。32話の冒頭で31話のあらすじをナレーションで紹介した。

○2005年　JR福知山線脱線事故

『ブラック・ジャック』
　28話「揺れる手術室」に電車の振動で手術ができないというシーンがあるため、次の話数を繰り上げて放映。28話は後日34話として放映された。

○2007年　京都父親殺害事件

『School Days』
　12話「スクールデイズ」に事件と同じ斧を使用した殺害シーンがあるため、放映を休止して別の番組に差し替え。地上波のテレビ埼玉・千葉テレビ・テレビ神奈川・テレビ愛知・テレビ大阪ではいずれも12話の放映は行われず、スカパー!のAT-Xのみ12話が放映された。

『ひぐらしのなく頃に解』
　12話「皆殺し編　其の七　雛見沢症候群」に事件を連想させるシーンがあるため、東海テレビとKBS京都は放映を休止して別の番組に差し替え。KBS京都は翌週から放映を再開したが、東海テレビはそのまま再開することなく11話をもって放映を打ち切った。その後、事件を連想させるシーンがあるという同様の理由により、テレビ埼玉は13話をもって放映を打ち切った。なお千葉テレビ・テレビ神奈川・サンテレビでは、休止することなく放映を継続している（KBS京都も再開後は放映を継続）。

○2007年　札幌の小学校教頭の児童買春事件

『こどものじかん』
　事件による社会情勢に配慮して、テレビ埼玉は放映開始前に放映中止を決定。三重テレビも同様の理由により放映開始延期としていたが最終的には放映を中止した。スカパー!のAT-Xでも放映が予定されていたが、AT-X側の視聴年齢制限付き放送の提案を著作権者側が拒否したため放映中止が決定した。なお千葉テレビ・KBS京都では、当初の予定通り放映している。

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◇[1]：不明

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◇[1]：KBS京都

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